C接触線維とストレスケア

子供のころ猫を飼っていた。

特別かわいがっていた弟は、
猫を膝に抱いて「耳」の裏をなでていた。

どうしてそんなところを
なでている?

と聞くと、
一番気持ちよさそうだからと言った。

そんなところをなでてやるより、
頭を撫でてやれ、

と叱りつけたことを
思い出します。

痛い、熱い、冷たいなどといった
感覚を伝える神経はいくつか種類があります。

中でも痛みを伝える神経線維は、
Aδ線維とC線維です。

指を引き出しに挟んでしまった
と想像してください。

●刺すような痛みを感じた場合、それはAδ線維に
よる伝達です。

●そのあと、ずっきんずっきんと鈍い痛み
を感じるようなら、C線維の伝達です。

本日の本題は2つのC線維

冒頭で触れた「猫ちゃんの耳」をなでる弟の話ですが、
あれにはC線維が関与しています。

C線維が関与しているなら、

猫ちゃんは耳裏をなでられると痛がるのでは?
と考えるヒトもいると思いますが、

C線維は2種類あります。


●ずきんずきんと鈍い痛みを伝える線維
●心地よさを伝える線維(以降C接触線維と呼びます)

猫ちゃんの耳の裏には心地よさを伝える
C接触線維がたくさんあるため、

ここをなでさすってあげると
とても気持ちがいいということが
分かっています。

猫と接することが多かった弟は
そんなことを知らずに、

ただ猫が気持ちよさそうだから
と言う理由で耳裏をなでてあげていた。

今になって、
すごいなーと感心しています。

猫ちゃん以外にも、ワンちゃんなど、
毛が生えている動物を飼っている方は是非、

耳裏や背中をなでさすってあげてください。

さて、ではヒトではどこに
C接触線維が多く存在するのか?

C接触線維が多く存在する場所

それは…

●顔
●腕

なんだそうです。

毛の生えた動物とヒトで共通するもの
それはやはり「毛」なんですね。

毛に存在するC触覚線維、
お顔や腕にある「毛」を想像してもらうと、

どんな毛に刺激を与えると
心地よいと感じるのかが自ずとわかるとはずです。

最近の研究では、
C接触線維を刺激すると、

●その刺激が大脳辺縁系
投射されることがわかっているし、

●痛みに関与するオピオイド
分泌されることもわかっています。

このことを知って、
四十肩に悩まされていた時どうして、

娘たちや主人が腕をなでさすってくれただけで、
痛みが和らいだのかがわかりました。

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